オールド大倉物語

No.01 良きが上にも良きものを

大倉孫兵衛、和親の父子は、かねてより日本における欧米一流製品に劣らない高級洋食器製造を念願しており、ヨーロッパ各国の製陶工場を視察しました。 大正7年、高級美術陶器の工場設立の意を固め、当時の東京市外六郷村および矢口村(現在の蒲田)に約5万m²の敷地を購入し、工場建設の準備に入りました。翌、大正8年5月15日、地鎮祭を行ったこの日を創立記念日としています。

大倉孫兵衛(1843-1921)
大倉和親(1875-1955)

美術陶器工場

是は利益を期して工場を起す事出來ず。寧ろ道樂仕事につき一人の獨業として他に迷惑を掛けぬ趣向でなければ思ふ様な道樂は出來ぬ。依て他に關係なく獨立にて作るを良とするものなり。全く商賣以外の道樂仕事として、良きが上にも良き物を作りて、英國の骨粉燒、佛國の「セーブル」、伊國の「ジノリー」以上の物を作り出し度し。利益を思ふてはとても此事は出來ぬ故、全く大倉の道樂として此上なき美術品を作り度し。既に蒲田に一萬三千坪許りの地を買入れたるにつき、此地に工場と共に別莊の如き見本場を作り、花壇も作り、工場からして美術の工合に作り度き事、此事は萬事和親に任せ、日野氏茲に来つて圖案設計を始める。

大正七年七月十八日 大倉孫兵衛 手記 時年七十六

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